2026.04

管理栄養士のいかりゆみこです!
「知って得する!試して楽しい!」そんな健康や栄養に関する情報を、このコラムで発信していきます。
皆さんは、腸活の新常識として今話題の“発酵性食物繊維”をご存じですか?
『食物繊維なら知っているけれど、発酵性って何?』と思う方も多いかもしれません。
発酵性食物繊維は、からだに有用な菌が増えるのをサポートすることで、さまざまな健康パワーをもたらしてくれます。
今回は、食物繊維や発酵食品との違い、そして毎日の食事にすぐ取り入れられる代表的な食材について詳しくご紹介します。

発酵性食物繊維とは、私たちの腸内にいる健康によい影響を与えてくれる善玉菌のエサになる食物繊維のことです。
発酵性食物繊維を摂取すると、腸内で善玉菌のエサとなって代謝・分解される過程(発酵)で短鎖脂肪酸がつくり出されます。
腸内でつくられる短鎖脂肪酸には多くの種類がありますが、代表的なのが「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」の3つです。
この短鎖脂肪酸は“腸の栄養素”ともいわれ、腸内環境を整えたり排便を促したりするだけでなく、代謝促進、肥満予防、免疫機能の向上などの効果が期待されています。
「水溶性食物繊維と不溶性食物繊維」は水への溶けやすさで分類され、「発酵性食物繊維と非発酵性食物繊維」は善玉菌のエサへのなりやすさで分類されます。食物繊維は種類がとても多く、さまざまな分類の方法があります。
発酵食品は乳酸菌やこうじ菌などの微生物の働きによって発酵した食品のことです。
発酵食品の中には、発酵した食品そのものに発酵性食物繊維が含まれるものも一部ありますが、必ずしも全ての発酵食品に含まれるわけではありません。

腸内の善玉菌は、種類によってすんでいる場所やエサの好みが異なります。
発酵性食物繊維も同様に、種類によって腸内での発酵場所や善玉菌のエサとして分解される速度が異なります。
そのため、毎日の食事では一つの食材に偏らず、いろいろな種類の発酵性食物繊維を取ることがお勧めです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2025年版)では、理想的な1日の食物繊維の摂取量は25g以上とされていますが、日本人の摂取量は年々減少傾向にあり、男女共に理想する量を下回っています。
その原因として、米や大麦などの穀物由来の食物繊維の摂取量が減ったことが主な理由といわれています。
まずは自分の食事に足りない種類を意識してプラスすることから始めてみましょう。
毎日の食事に取り入れやすい代表的な発酵性食物繊維と、豊富に含まれる食材をご紹介します。

玉ねぎやごぼう、大豆、バナナなどに豊富。腸の入り口付近で発酵します。
玉ねぎやごぼう、にんにく、チコリなどに豊富。腸の入り口付近で発酵します。

押し麦、もち麦といった大麦やオートミールに豊富。腸の中央付近で発酵します。β-グルカンは血清脂質の値を改善してくれる効果も期待できます。

みかんやキウイなど果物に豊富。腸の中央付近で発酵します。また、ペクチンを取ることで葉酸の産生を助け、血栓症のリスクとなるホモシステインの値を下げる効果が期待できます。

全粒小麦、ライ麦、発芽玄米などに豊富。腸の出口付近で発酵します。

冷やご飯やパスタ、とうもろこしなどの穀物、豆類などに豊富。腸の出口付近で発酵します。
こうした発酵性食物繊維を効率よく取るために、まずは主食に少し工夫を加えてみるのはいかがですか?
例えば白米に押し麦やもち麦を混ぜたり、パンやパスタを全粒粉のものに替えたりして主食を少し見直すことで、無理なく摂取量をアップすることができます。
発酵性食物繊維が善玉菌のエサとなってつくり出される短鎖脂肪酸は、私たちの健康を多方面でサポートしてくれる心強い味方です。
ぜひ、食物繊維の中でも“発酵性食物繊維”を毎日の食事で意識してみましょう。
編集:いかり
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